コンビニの食品ロスを減らすニュースを聞いてふと「返品抑制に応用できたり……?」と思った。だって比べてみると……。
・コンビニ
大手コンビニは値引きしないのが基本。でも品切れによる売る機会を逃さないために「捨てる前提」の商売をしてきた。食品ロスをなくすために、廃棄期限時間の前に対象商品を購入した会員にポイントで還元する(現在、テスト販売段階)
・書店
書店は値引きをしない再販制度が原則。でも品切れによる売る機会を逃さないために「返品前提」の商売をしてきた。書籍ロスをなくすために……。
ね、似てるでしょ?
問題は……の部分。出版界は返品前提の商売を変えられるのか。
アマゾンはもう出版社との直取引を開始済み。買切りで書店に卸している「ひとり出版社」も登場してるし、買切り仕入れ販売をするニュータイプの「(書店を開くのは)自己実現の手段でもあり、食べていくのはなんとかなる(らしい)ひとり書店」も増えつつある。
さらにトーハンは2023年までに書籍の返品率40.7%を33.4%にするんだって。TSUTAYAは「買い取り」方式の仕入れを導入するんだって。待ったなしの返品抑制問題が現実に動き出してる。
そもそも、返品って何が原因なんでしょう?
ちなみに、再販制度は多種多様な出版物がどこでも同じ値段で購入できるのがポイントだから、出版社は制度に守られてるという意味もある。
さて、あなたの会社は返品問題、どうしてます?
(出版研究室研究員・當田マスミ(大日本図書労組)/『出版労連』2019年7月1日‐1564号より)