現代書館 菊地泰博さんインタビュー Vol.1

現代書館の沿革と出版への思い

――出版労連は出版関連産業で働く人たちの生活と権利の拡充をめざしていますが、産業問題のとりくみも重要課題に位置づけています。出版研究室は2016年秋に立ち上げました。研究室のウェブサイトで業界の方々のお話を紹介するコーナーを設けました。第1回は株式会社現代書館の菊地泰博社長にお話をうかがいたいと思います。最初に会社の沿革や出版に対する思いをお聞きかせください。

菊地:出版業界の問題・課題はわかりますが、どこまでお話できるかまったく自信がありません。
創業は1967年ですから50年になります。ロシア革命100年、現代書館50年で考えてみると、ロシア革命の50年後の創業です。「50年」に合わせてロシア革命の本をたくさん作ろうと思いました。 2~3年前から頼んでいますが思うようにならずに結局大半がギブアップです。ただ1冊、入門書ができました。アネクドート、いわゆる諷刺画ですが、ちょうどロシア革命の前後、最終的にはトロツキーが殺されるくらいまでの期間で面白い内容です。難しい話を風刺画と文章で取り扱っていますが、今の時代、ロシア革命の本とか話題にならないですよね。

――ある先輩が「『今年2017年はどのような年か?』と聞いて回ったけれど、みんなわからなくて答えがない」と言っていました。私はロシア革命100年とわかりました。ゴルバチョフ回想録を読もうと思ってはいるのですが、大部で年内には読めそうもないです。(笑)

菊地:人々の世界観を変えたマルティン・ルターの宗教改革から500年です。その50年ほど前、グーテンベルグが印刷機を発明し、それまで普通の人には読めなかった聖書を多くの人が読めるようになった。むろん聖書はそれ以前からありましたが、教会の神職者しか読めなかった。当時、聖書は鎖に繫いでいるところもあったのですから。知識の独占ですね。本を読むにはいろいろな制約があったのです。印刷機はその聖書を一般の人に読めるようにした。誰もが聖書を読めるようになり、知識が大衆のものになった。これは大きな革命でしょう。そういうことがあり、出版が業として成り立つようになったわけですね。

 

 

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