出版研究室からのごあいさつ

出版研究室からのごあいさつ

 

出版労連は日本の出版関連産業における唯一の産業別労働組合です。1958年の結成以来、今日まで60年間「出版は平和でなければ成り立たない産業である」という立場で、出版に携わる労働者の生活と産業の発展を願って活動してきました。

この間、出版関連産業全体が様変わりし、私たちをとりまく環境も急激に変化しています。出版関連産業の基本的な仕組みとして、長年「三位一体」といわれてきた出版社・出版流通・書店の分業による産業構造に歪みが出ています。背景にはインターネットの技術革新や紙からデジタルへの転換、巨大物流企業の影響などがあります。

一方で戦後70余年を経て、思想や文化の状況も変化しています。私たちの産業も、戦前の言論統制により戦争に加担した過去があります。その反省の上に新しい憲法で21条を得て、戦後の民主主義のもとで再出発しました。

しかし、現在のメディアをめぐる状況は、国家権力による言論・出版・表現活動への規制が強化され、表現者を萎縮させる動きが起きています。出版関連産業の基盤が揺らぐなかで、今はまさに多様な出版活動を守り、その意義を再認識する時ともいえます。

出版研究室は、出版労連が掲げる「出版関連産業の新生」の運動の一分野として研究活動をしています。本サイトが出版関連産業に関わる方々との情報共有の場となるよう努めていきます。