出版研究室の理念

【出版のデジタル化】

2010年に「電子出版元年」と言われてから、出版物のデジタル化は、当時の予想よりもはるかに利便性に富んだかたちで進んでいます。そして今後は、コンテンツも多様化していくでしょう。社会の変化、人々の生活様式と、出版物のデジタル化をあわせて考えていきます。

 

【表現の自由】

出版産業は「言論・表現の自由」なしには成り立ちません。snsを活用して、個々人が自由に発信できるようになったことは、出版あるいは出版物における「表現の自由」とは何かを改めて考えることが不可欠になったことを意味します。個々人にとって大切な「表現の自由」を考え続けていきます。

 

【出版社・編集プロダクション・フリーランス】

書籍、雑誌、コミックなど、出版物は多種多様です。作り手もいろいろです。出版社はもちろん、企画・編集を専門とする編集プロダクション、個人で企画、取材、執筆、編集などをするフリーランスなど。作り手をとりまく環境などを考えます。

 

【出版物の流通経路】

出版物が読者の手元に届くまでには、出版社から取次を通して、書店や図書館へという経路が一般的です。出版業界にとって、到着までのスピードや、運賃上昇の問題などで、流通のしくみを抜本的に見直すことは喫緊の課題です。出版社、取次、書店・図書館、読者の関係を重視しながら、しくみを検証します。

 

【書店】

街の本屋さんが減少する一方、大型のチェーン店は出店を続けています。また、好きな出版物をセレクトして売る個人書店や、入場料を払うタイプの書店なども少しずつですが増えてきました。さまざまな書店の状況を見ながら、新しいビジネスモデルの可能性や、ネット書店を含めた今後の書店のあり方を考えます。

 

【教育・教科書】

教科書は、検定を伴う編集、価格設定の方法、採択、流通のしくみなど、独自の制度で成り立つ出版物です。拡大教科書やデジタル教科書など、多様な形の教科書の使用も進んでいますが、児童・生徒、教師、そして社会にとって、どんな教育や教科書が適正なのか、出版社の役割とともに考えていきます。