本が読者に届くまでに、①出版社が作り、②取次が流通(配本)を担い、③書店が販売する、という大きな流れはありますが、それぞれに複雑な仕組みがあります。ここでは①の「本を作る」ところを見ていきます。
本を作るうえで、いわばおおもとになる出版社の数は、2018年現在、3,500社を割る企業数にまで少なくなっています(2000年4,400社 出版ニュース社)。出版業界には、作り手の“総合会社”といえる出版社の団体として、書協や日本雑誌協会(雑協)などがあります。
編集プロダクションは約400社あるといわれています。その多くは、出版社の下請け業務を担っている企業だといっていいでしょう。日本編集制作協会(日編協/AJEC)という業界団体があります。
そして、出版産業に従事している人たちのなかには、いずれの出版社や編集プロダクションにも帰属せずに、フリーで仕事をしている人もたくさんいます。出版労連には、ユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ)という職能型の個人加盟組合があります。
出版界ではこういった人たちが協力し合いスキルを高め合いながら、日々、出版物を世に送り出すために活動しています。