出版物の流通経路

出版物の流通経路

 

2017年に「出版物輸送の危機」といわれた事態は、今もなお出版界全体を揺るがしかねない問題として未解決のまま推移しています。

取次会社から雑誌出版社に対して、輸送運賃負担の引き上げ要請がなされましたが、出版社側の対応は様々です。また書籍も、採算割れしている出版社には書籍輸送運賃の負担を要請しているとのことです。同時に、取次会社は高正味出版社に対してその引き下げも要請しています。

出版輸送問題は、単に運賃の引き上げで収まるとか片が付くような問題ではありません。歴史的にも商慣行的側面から見ても、様々な面が絡んだ、一朝一夕に解決する問題でないことは明らかです。この問題は、引き続き出版研究室の研究課題として追究していきたいと考えています。

出版労連では『現場からみた これが取次だ』(頒価200円)というパンフレットを作成し頒布しています。副題に「出版流通と労働条件の改善をめざして」とあるように、労働組合らしい視点で分析しています。出版流通の仕組みと問題点がわかる参考文献としてご紹介します。