真夏のリフレクション(出版研究室から[58])

出版研究室は年に2回、自分たちの活動を振り返っている。1回は12月である。もう1回は、組合の新年度を前に一年間の活動を反省し見つめ直す7月である。定期大会を区切りに、一年前に立てた方針に則っておこなった実践を振り返る掘り下げ作業だ。以下、紙幅の関係で絞って論じたい。

  一年前勢いは落ちていたとはいえ、「巣ごもり需要」は出版界でも続いていた。全体として出版産業は好調を持続し「出版不況」を脱したかの空気さえあった。当時、出版研究室では数字にあらわれた現状から見えてくる半年後、一年後いや数年後の出版産業はどうなっているかの論議をやっていた。果たしてこれは一過性のものか、はたまた本の力が見直されての復権か、と。

 想像以上の二極化が現象したことは周知の通りである。版権ビジネスといわれる大手版元中心の新ビジネスモデルの推進と、版の電子・紙を問わないコミックの爆発的なヒットがもたらしたものだといえる。なかでも電子の伸長は新たな「出版の危機」を感じさせた。出版研究室が今期の出版研究集会で世話人を務めた「小規模出版社でも☆彡電子書籍を作れる・売れる」分科会は「ディフェンスとしてのデジタル化」の問題提起であり、産業全体の可能性を広げるとりくみであったと自負している(『PUB』11号参照)。

 再販制と双璧といっていいくらい重要でありながら、知っているようで知らず、知らなくてはいけないのに知らないで済ませている問題に著作権がある。今期の後半、論議しながら研究を進めてきたが道半ばで次期送りとせざるを得ない。

減少の一途をたどる書店問題は文化問題としても考えてきた。引き続き目を離さない。

 もう一つ。今期特別な任務として、出版産業に関する諸分析・研究を出版労連内外の労働組合の交流に役立てるというのがあった。これも次期へ送ろう。

(出版研究室室長・平川修一/『出版労連』2022年7月1日‐1600号より)